2017年に突入し、あっという間に明日から3月ですね!4月からの新年度に向け、来期の計画を立てている方も多いのではないでしょうか?
EC関連でお客様から当社によく頂くご要望には「動画で販促をしたい」「SNS運用を支援してほしい」「特集ページ制作を依頼したい」等がありますが、最近「AIを使ってCVRをあげたい」というお声が増えてきています。
そこで今回は、多岐にわたるAI(人工知能)の中でもECに関わるサービスについて取り上げ、種類・目的別活用法をご紹介していきます。今後の施策に少しでもお役立て頂けたらと思います。
「EC事業での活用が広がる、人工知能(AI)の最新事例紹介」では、AIの定義と活用事例をご紹介しました。
(AIの)大きな特徴は「学習」すること。データの傾向を学習することでパターンを見つけ出したり、そこから将来を予測したりすることができる点が人工「知能」たる由縁です。
ECのマーケターにとっては、これまで人間が長時間を費やしてきた分析・抽出・施策の実行といった業務をAIサービスが代行してくれるわけです。それではどんなサービスがあるのか、具体的にみていきましょう。
Web接客ツールは、ユーザーの購買履歴や行動履歴にもとづいて、一人ひとりに最適なアプローチを実施するサービスです。設定条件に合致するユーザーに対して、オンラインチャット・クーポン・メッセージ等のバナーをサイト上に表示し、意図する行動を促すことができます。
例えば上記画像のサイトでは、ログインをしていない状態でアクセスすると「いらっしゃいませ 当店のご利用は初めてですか?」と右下にバナーが表示されます。このバナーをクリックすると、会員登録の促進・セール商品の検索結果ページへと誘導する大きなポップアップバナーが出現する仕組みです。シナリオを細やかに設定しておけば、ECサイト上でも店頭での接客のような「おもてなし」が実現できることから、Web接客ツールと呼ばれています。
Web接客ツールの登場以前は、人間がアクセス解析をしてその都度サイト改善・・・という地道なPDCAが必要でしたよね。それらをツールに任せることで、作業効率の向上や機会損失の減少はもちろん、リアルタイムに最適な接客が実施できるといったメリットがあります。
レコメンドエンジンは、ECサイトを運営されている皆さんにとっては一番馴染みのあるツールではないでしょうか。Amazonのサイトに表示される「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というおすすめ情報がレコメンドエンジンにあたります。ツールが自動的にユーザーの好みを把握し、関連性のあるアイテムをサイト上に表示する仕組みです。
商品点数が膨大なECサイトでは、ユーザーが検索機能のみで好みの商品にたどり着くことが難しくなってきています。特集ページやランキング表示もサイト内の回遊性を高めるには効果的ですが、特に売上構成がロングテール型のサイトにおいてはレコメンドエンジンの方が向いていると言えます。
導入する際の注意点としては、レコメンドの精度と手法を見極める必要があることです。
レコメンドの種類は3分類されます。
→購買履歴や閲覧履歴をもとにおすすめアイテムを表示する一般的な手法
→商品の属性とユーザーの好みの関連性をもとにおすすめアイテムを表示する手法
→AとBを組み合わせた手法、もしくは複数の異なるBを組み合わせた手法
強調フィルタリングは、一定のPVボリュームがありログデータが貯まっている状況でこそ有効に機能しますので、集客が充分ではないサイトには適していません。また、コンテンツベース・フィルタリングは通常人の手で属性を分類する作業が必要となり、商品点数が増えるほど作業量が比例して増えてしまう特徴があります。それら2つの課題を補い合うのがハイブリッドタイプです。
当社が取り扱っているアパレルECサイト向けAIツール「SENSY」は、画像認識の技術でコンテンツベース・フィルタリングを活用しています。
すでにレコメンドエンジンを導入されている方も、現在のツールの仕組みや精度を一度検証されてみてはいかがでしょうか。
分析系AIサービスの中心は、マーケティングオートメーション(以下 MA)ツールです。
MAツールとは、人間が繰り返し行うマーケティング活動をオートメーション化するためのサービスです。特徴は、自社ECユーザーのスコアリング・ランク付け・属性によるグルーピングを行うCRM(顧客関係管理)機能、キャンペーンマネジメント機能、特定の条件を満たしたユーザーへのマーケティング施策(スマホプッシュ通知 / コンテンツの出し分け / メルマガ配信 / 商品レコメンドなど外部ツールの包括)自動化、施策の費用対効果検証機能と、サービスによって多岐にわたります。
実は、MAを謳っていても機能を見てみるとCRMツールに過ぎないものも多々あります。自動化を求めて導入を検討する際にチェックしたいのは、LTVとROIのボトルネックとなっている「特定の条件」を抽出しやすいかどうか?シナリオ設計をしやすいかどうか?だと思います。
例えば、XROSSINGが提携しているアール・エイトでは、サイト訪問頻度が減少している顧客セグメントに対してアラートが表示されメルマガ配信をできたり、クーポンがなくとも購入してくれるロイヤル顧客に対してはオファーを表示しない、といったことができます。
これから取り入れたいとお考えの方は、ぜひ説明資料を読むだけでなくデモ画面を触って試してみることをおすすめします。
まずは、改善したい数値を明らかにすることです。
ECサイトのCVR向上であれば、Web接客ツール。
顧客購入単価UPやサイトのPV/人を高めたい場合、テール商品の露出を増やしたい場合は、レコメンドエンジン。
離脱防止やロイヤル顧客の育成、LTVの向上を図る場合は、分析系AI。
と考えられるでしょう。
また、どの業務をAIに任せて自動化したいか?という切り口もあります。
Web接客サービスとレコメンドエンジンはユーザーに対してのアクションを支援してくれ、分析系AIはマーケターの分析業務を支援してくれます。手が回らず機会損失を生んでいるのはどの部分なのか、見直してみると良いかもしれません。
もし種類が多すぎてどれを選べば良いのか分からない・・・という際には、ご相談からでも構いませんので一度お問い合わせくださいね。
参考: