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欲しいと思う瞬間を演出し解決する。アパレルECマガシークの挑戦【前編】

こんにちは、バズーカ運営チームのキムです。
「バズーカ:baXooka」では、販促・EC業界のトップランナーへインタビューを行う連載企画をスタートします。

第一回目となる今回は、アパレルEC「MAGASEEK」を運営し、急成長を続けるマガシーク株式会社に、baXooka編集部がインタビュー。
アパレルECサイトの成長戦略と、オウンドメディア「MagaCafe」についてお話を伺いました。

全3本にわたってお届けする本インタビューの前編では、MAGASEEKが目指す“究極のセレクトショップ”像と、MagaCafe立ち上げのきっかけについてお聞きしました。(2016年9月7日インタビュー収録)

鈴木孝知 | すずきたかとも

マガシーク株式会社執行役員 兼 マーケティング担当(CMO)兼 情報システム担当(CIO)兼サービス企画部長 兼マガシーク事業本部 UXデザイン部長およびマーケティング部長 兼アウトレットピーク事業本部 UXデザイン部長およびマーケティング部長 兼 d fashion事業本部 UX・マーケティング部長

1975年生まれ。NTT、日経BP、リクルート等7 社で、傾いたプロジェクトや事業、会社の立て直しに一貫して携わる。2013年2月マガシークに入社。

米村 剛 | よねむらごう

マガシーク株式会社マガシーク事業本部 UXデザイン部 チーフデザイナー/アートディレクター

1982年生まれ。デザイナーとしてマガシークに入社して8年。4年前にWEB制作部からUXデザイン部に組織変更され現職に。デザイン会社にてVI設計などのグラフィックデザインや多業界のWEB制作を経験した後、2008年8月マガシークに入社。

「探さなくても見つかる」をコンセプトに

――御社の運営するMAGASEEKは、「雑誌で見たものがネットでも買える」ということで2000年にサービスが開始されました。アパレルEC専門のショッピングサイトとしては老舗ともいえますが、現在はどのような運営体制なのでしょうか?

米村 私が所属するUXデザイン部(以下、UX部)はもともとWEB制作部という名称だったのですが、4年前のリブランディングでUX、UIを全面的に見直したのを機に、現部署名になりました。マーケッター、アナリスト、ディレクター、デザイナー、マークアップエンジニア、ライターなど約20名のスタッフがおり、MAGASEEKで公開している特集ページも含めて、基本的に内製しています。

このほか、MD担当、商品登録担当、システム担当、CS担当と、弊社物流センター「magaco(マガコ)」に商品撮影担当、物流担当が在籍しています。

――現在のMAGASEEKの参加ブランド数や購入者層をお教えいただけますか?

鈴木 600を超えるブランド様に出店いただき、200万人を超えるお客様にご利用いただいています。購入者層としては20代から40代が中心ですが、このなかでもボリュームゾーンは30代から40代のお客様で、リピーターが多いのも特徴です。ブランド数の多さに加え、特にこの年代層のお客様に支持されているブランド様が多く揃っていることも評価されている理由だと思います。

マーケティング担当(CMO)/ 情報システム担当(CIO)の鈴木氏

――2012年のリブランディングでは、全面的にリニューアルをされました。

鈴木 リニューアルのテーマは、「自分のためのセレクトショップ」を作ることでした。ショッピングサイトでは自分が欲しいものは検索で探すという作業を強いられがちです。しかしMAGASEEKが目指しているのは、探さなくても欲しいものが見つかる、“究極のセレクトショップ”。そのために、Webだからこそできるお客様一人ひとりにあわせたパーソナライズにはかなり注力しています。

――One to Oneマーケティングの分野では、AIを活用したパーソナライゼーションに注目が集まっています。

鈴木 アパレル業界でのAI活用は、大きく接客系とレコメンド系の2種類に分けることができます。今は、接客系のAI(Chat bot)の実用化が進んでいますね。当社でもさまざまなAI会社と接触し、どのように活用できるかを検討しているところです。

本当は、「あなたの欲しい商品はこれ」と適切な商品を表示できるレコメンド系のAIがあれば理想的なのですが、まだ課題があるなというのが正直な感想です。旧来からあるアルゴリズムに基づいたレコメンドと、AIを活用したレコメンドとを比較すると、今のところは、アルゴリズム型のレコメンドのほうが信頼を置けます。

せっかくのAIなので、わかりやすい例だと、Aさんが好む「青」とBさんが好む「青」の違いを判断してレコメンドしてくれるところまでができるとありがたいですね。画像解析にAIを活用する技術もありますが、例えば、通常の画像解析ではわからないスカートとスカーチョの区別をAIが行ってレコメンドしてくれるなどまだまだ活用・改善の余地があると思います。アパレルEC専用のAIをどなたか開発していただけないでしょうか?(笑)

――大きなビジネスチャンスが眠っていそうですね! 

商品に興味を持つ前のユーザーと接触するには?

――今年2016年の4月には、オウンドメディア「MagaCafe」をオープンされました。アパレルECがなぜ今、メディアを運営することになったのでしょうか。

米村 メディア運営については、UX部のスタッフと社長とでずっと話し合いを重ねていまして、2年ほど前から構想はありました。弊社では「欲しいと思う瞬間を演出し、解決する」ということを社のミッションとしています。先ほどユーザーの欲しい商品を適切にレコメンドする仕組みについて鈴木からお話ししましたが、その「一歩手前」を演出するのも非常に重要だと考えています。

以前は、雑誌とのコラボレーションによって「演出」は雑誌、「解決」はMAGASEEKという連携でこれを実現させてきました。しかしユーザーの雑誌離れが進み、また出版社自体がECサイト運営に乗り出すなど市場環境が変化するなかで、次の一手を打たなければと思っていたのです。そこで、もともと弊社の強みでもあった「演出し解決する」ということを自分たちでやってみようということになり、自前でメディアを運営することに決めました。

――まだ「買いたい」と思っていないユーザーにアプローチされるわけですね。

米村 そのとおりです。ユーザーは興味がないとECサイトには来ないものです。商品に興味を持つ前のユーザーに、どれだけ接触できるか、もっと違うチャネルでのアプローチの機会を増やす必要があるのではないかと。

UXデザイン部 チーフデザイナー/アートディレクターの米村氏

――「MagaCafe」という名前にはどういった意味が込められているのでしょうか。

米村 ちょっとコーヒーでも飲みながら気軽に読んでもらいたい、ということで雑誌の「Magazine」と「Cafe」を組み合わせて、「MagaCafe」というタイトルにしました。「買いたい」モードになっていないユーザーがターゲットですから、あくまでもファッションマガジンとして楽しんでもらいたいということで、MAGASEEKとは別のドメインで運営しています。

――新たなメディアを作るにあたって参考にされたサイトはありますか?

米村 “メディア屋”がやっているキュレーションサイトはひと通り確認しました。それから、「北欧の暮らし道具店」は同じ“EC屋”が運営するオウンドメディアということで意識していますね。インテリアや雑貨が中心のお店ですが、メディア運営担当のスタッフも用意されていて、内製化されていますし、情報発信の面でも個人的にも勉強になる点が多くあります。


マガシーク株式会社のお二人にお話を伺いました。次回は、気になる「MagaCafe」のPV数や、ECサイトだからこそできるトレンドを先取りした記事の作り方について詳しくお聞きします。


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キム

キム

テクニカルディレクター。 フロントエンドコーディング、スマホ、アプリケーション、IoTなどに興味深いです。 たまに変な日本語が出てしまっても許してください…!
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