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欲しいと思う瞬間を演出し解決する。アパレルECマガシークの挑戦【後編】

「バズーカ:baXooka」編集部が販促・EC業界のトップランナーへインタビューを行う連載企画第一弾は、アパレルEC「MAGASEEK」を運営し、急成長を続けるマガシーク株式会社にご登場いただきます。

前編・中編ではアパレルECのAI活用からオウンドメディア運営まで多岐にわたる話題についてお話しいただきましたが後編ではMAGASEEKの集客のための工夫を取り上げます。(2016年9月7日インタビュー収録)

「欲しい」タイミングを逃さないためのステップメール活用

――前回、MagaCafeは順調にPV数が伸びているというお話をしていただきました。現在、多くのアパレルECにとって集客は大きな課題のひとつです。メディアの運営以外で、MAGASEEKではどのような集客上の工夫を行っているのでしょうか。

鈴木 冒頭でお話ししたように、MAGASEEKはリピーターが多いのが特徴です。これらのお客様は、他のアパレルECモールと見比べて購入する傾向があります。したがって、お客様にサイトに訪問してもらうだけではなく、どうやってMAGASEEKを選んでもらうかが重要になります。

そのため、MAGASEEKに再訪してもらうためのステップメールへの取り組みは強化しています。お客様に、お気に入りのブランドや商品を登録していただき、セールが始まったタイミングや新商品が入荷したタイミングなど、買ってもらえる可能性が高いタイミングでメールを配信するシナリオを組んで、再訪を促す仕組みを自動化しています。ほかにも、在庫が残り一個になった時に送るメールや、カートに商品をいれたまま放置している際に送るメールなどはECサイトの基本だと思います。

また、アーバン、フェミニン、カジュアルなどの「ファッションテイスト」ごとに、値下げや新作の情報をまとめたメールを送っています。ファッション業界ではテイストが大事だといわれており、そのセグメントごとにおすすめ商品を告知する工夫も大切です。

高速でA/Bテストを実施。常にユーザビリティを改善する

「トレンドが次々と変化するファッション業界ではスピードが重要」と語る

――集客と同時に、常にサイトのUX、UIを改善する必要もあるかと思います。

米村 そうですね。ユーザーにストレスを与えないよう、簡潔かつ直感的なUIであることを心がけて、情報を整理しています。また、スマホからの購入が年々多くなっていて、6、7割です。MAGASEEKでも2年前からUIはスマホファーストとなっています。

――PC版のトップページは商品表示の切り替えを行っていますね。あれはどのような仕様なのでしょうか。

米村 バナーはユーザーセグメントによる表示なので、お客様によって内容はそれぞれ異なります。商品一覧は「新着アイテム」「今話題のアイテム」のほか、レコメンドエンジンを使って「おすすめアイテム」として、ユーザーの行動履歴から最適化させて見せるようにしていますが、まだまだサイト内での検索に頼らざるを得ず、“探さなくても見つかる”の実現には至っていません。

――UI改善にはA/Bテストが必須といわれますが、どのような取り組みを行っていますか?

鈴木 特集ページや企画ページは常にA/Bテストを回しながら改善しています。極端な場合、効果がなければ4時間でその案を取り下げることもあります。

――4時間で効果が見えてしまうものなのですね!

鈴木 ファッションは常にトレンドが変化しますし、話題も移り変わるので、そのぐらいのスピード感で動かないと取りこぼしが生じます。年間で500個くらいページ案を企画して、高速で効果検証を行います。悪かったとしても原因を分析することに時間をかけるよりも、より効果が上がる案だけを残していくという勝ち抜き方法をとっています。商品の入れ替わりに合わせて新しいアイデアを試すようにしていますね。

ユーザーの行動履歴によってトップページの表示が変化する

d fashion、HARUKAS STYLE。販路を拡大するサテライト戦略

――今後のマガシークの成長戦略についてお聞かせください。

鈴木 現在は「サテライト戦略」を進めています。マガシークをハブとして、取り組み先と在庫情報の連携・共有を行うことで、物流効率化、品揃えの強化を推進していくものです。2013年にはNTTドコモの連結子会社になったことをきっかけに、ドコモのファッション通販サービスとして「d fashion」サービスがスタートしました。

さらに近鉄百貨店と共同運営している「HARUKAS STYLE(ハルカス スタイル)」や、最近では8月に三越・伊勢丹オンラインストアの一部ブランド在庫の共有を開始するなど、大手百貨店との提携も進んでいます。このほかにも他社のブランドオフィシャルECサイトの運営なども手がけています。サテライト戦略はメーカー様にとっても販路の拡大になり、リスクなしで露出の機会が増えるというメリットがあります。

“EC屋”がメディアを持つ意味とは

――今、この記事を読んでいる読者のなかには、販売や集客のための新たなアプローチとして、自社メディアの運営を考えている方もいらっしゃると思います。そんな人たちに向けて最後にひと言アドバイスをお願いします。

米村 「EC屋がメディアを持つ意味とは何か」、これをきちんと考えていく必要があると思います。われわれがお客様に商品をおすすめするときは、とにかく商品をプッシュしがちですが、買う気のない人もまずは気軽に楽しめるようにして、未来の顧客となる「きっかけ」を作ることができるのが、メディアの良さだと思います。

――そのためには、運営する側が短期的に「自社の商品を売る」ことばかり考えてしまうマインドセットを変えていくのが大切なのでしょうね。本日は、同じくオウンドメディアを運営する立場としても、勉強になるお話をたくさんお聞きすることができました。お忙しいなか本当にありがとうございました。

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キム

キム

テクニカルディレクター。 フロントエンドコーディング、スマホ、アプリケーション、IoTなどに興味深いです。 たまに変な日本語が出てしまっても許してください…!
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